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JA成田市


JA成田市広報紙「みのり」掲載(毎月1回発行)
花と遊ぶ『遠山野草園の四季』著者・安達廣子(小菅)

センリョウ(センリョウ科) 第151章 2013年新年号

 我が家の裏庭では、今年もまたセンリョウが光沢のある赤い実をつけています。一年を通して直射日光に当たらず半日陰の場所なので、実の付き方や色合いがとてもきれいです。
 和名千両は、ヤブコウジ科のマンリョウに対して、背が低く実も軽いのが由来のようです。常緑性の低木で、正月の縁起物とされています。別名クササンゴとも言われます。花は夏で黄緑色、実は10月頃から赤く熟します。センリョウは葉の上の方に実をつけるので目立ち、うっかりすると小鳥に正月までに食べられてしまいます。そのため、早くから正月用の切り花としたり、ネットを被せたりしています。根際からいくつも枝を伸ばし、まとまりやすく株姿も素敵です。実が黄色くなるキミノセンリョウもあります。
 5年ほど前に見学者からセンリョウを頂きました。ヤマユリのそばに移植しましたが、枯れてしまいました。一見丈夫そうですが、風当たりや寒さに弱くちょっとした環境の変化によって枯れてしまいます。裏庭に植えたところ、生育環境に適していたようで、今度は順調に大きくなっています。めでたい新年を迎えられそうな、美しい姿です。

   庭木陰小鳥群がる千両の実

ロウバイ(ロウバイ科) 第152章 2013年2月号

 「ああいい匂い。ああいい匂い」

 門道を入ると、右手に光沢のある黄色いロウバイが数個ずつ集まって咲き、良い香りを漂わせています。今年は、特に寒かったので蕾が固く、正月にやっと咲きだしました。
 和名蝋梅は、蝋細工のような光沢のある梅に似た花が由来のようです。花弁は分厚くロウのような質感があり、非常に良い香りがし、別名カラウメとも言います。よく見ると、花弁の外側は淡黄色で内側は暗紫色です。いずれが花弁でいずれが萼なのか区別しがたいです。花全体が黄色のソシンロウバイもあります。冬の初めに吹く木枯らしがたちまち木の葉を吹き落としてしまうと、蕾も一段と大きくなり、少しずつ開きます。花は葉の出る前に咲くのです。中国原産の落葉低木で、日当たりの良い場所を好み、冬の寒い季節に咲く花木の一つです。ちなみに、ウメはバラ科でロウバイはロウバイ科で全く違う種類です。
 去年の12月、佐倉のくらしの植物苑で見たロウバイは、まだ蕾が固く小さい状態でした。帰宅後さっそくロウバイを見ると、一輪だけ咲いていました。改めて、植物は自然条件と環境条件に大きく左右されると実感しました。

  ろう梅の香り漂う門構え

セイヨウタンポポ(キク科) 第153章 2013年3月号

 立春が過ぎ、一雨ごとに暖かくなり自然界は活動を開始しています。安達ヶ原には、地面にへばりつくように葉を広げ(ロゼット状)セイヨウタンポポが咲いています。
 和名西洋蒲公英は、西洋のタンポポの意味で、ヨーロッパではサラダ菜などの食用に栽培されています。花は日本産のタンポポと似ていますが、花の元を包んでいる総包が反り返る特徴があります。実が日本在来のタンポポよりも軽くて遠くまで飛びやすく、繁殖力が強いです。ヨーロッパ原産の帰化植物で、明治時代に札幌農学校(北海道大学)の外人教師が野菜として植えたのが、たちまち全国に広がりました。在来種のタンポポは春先だけに咲きますが、セイヨウタンポポは一年中咲くので在来のタンポポは激減しています。
 「家はセイヨウタンポポを根こそぎ抜いているの。花の種が飛ばない前に採ってしまえばいいのよ」と、堀之内の友達が話していました。我が家では自然に任せ、東屋の前には日本のタンポポが、車庫の前にはセイヨウタンポポが咲いています。花は天ぷら、葉はサラダ、根はきんぴらにすると美味です。

  野に遊びたんぽぽ咲きて笑顔かな

セイヨウサクラソウ(サクラソウ科) 第154章 2013年4月号

 3月中旬、東屋の下の湿地でセイヨウサクラソウが咲き始めました。まだニホンサクラソウは芽が出たばかりです。頭上では梅の花も咲いています。三寒四温を繰り返し、やっと嬉しい春がやってきました。
 和名西洋桜草は、日本のサクラソウに似た外来種であることが由来です。花期は1月から5月頃で毎年こぼれ種で咲きます。3年前に、プランターに植えっ放しで、こぼれ種から苗を移植して咲かせようとしましたが、8月の暑さ対策に失敗して枯らしてしまった苦い経験があります。去年の秋、久米野の友達から苗を頂きました。地植えにし、目印の篠棒を立て、楽しみに開花を観察しました。合弁花で、花弁は5つに深く裂け、裂けた先がまた2つに裂けている小さな花です。花の特徴は、輪状に咲き花の中心部は黄色です。園芸店でよく「サクラソウ」として売られている植物は、セイヨウサクラソウのことです。
 先日、遠山小学校と遠山中学校の卒業式に出席しました。ステージ前に、子供たちや職員が卒業式に間に合うように育てたセイヨウサクラソウが並んでいました。白、赤、桃と小さな花たちが競って咲き誇っていました。
  野辺に咲く人目につきし桜草

タンチョウソウ(ユキノシタ科) 第155章 2013年5月号

 3月上旬、カタクリ塚にタンチョウソウの赤い蕾が出てきました。5月になっても、白いがく片と花弁が重なり合って咲いています。
 和名丹頂草は、花を丹頂鶴の頭に、茎を首に、葉を羽根に見立てたのが由来です。岩場に生え、葉がヤツデに似ているため、別名イワヤツデともいわれます。原産地は朝鮮半島から中国東北部の、日陰の岩場に生える多年草です。長い花茎の頂上に白い5弁の花が密集し、花は上向きにつき、雄しべの花粉が赤く見えるのが特徴です。草丈30aほどで、葉はヤツデのような形で深く切れ込んでいます。根の部分は横に伸び太い根茎が露出しています。株分けは根茎を切り分けます。根茎は硬いのでハサミを使い、芽を2つ程つけ、植え替えます。ずっと昔、駒井野の友達に分けてあげたタンチョウソウが何倍にも殖えて戻ってきました。彼女の花に対する心遣いと人柄にふれ、とっても嬉しかったです。
 いつもながら、花はなるほどと感心させられる面白い名前がついています。イワヤツデよりタンチョウソウの方が花全体の姿がわかり、命名した人のセンスです。すきな草には好きな名を、自分でつけて楽しんでいま
す。
 春の日にひときわ映える丹頂草

キンラン(ラン科) 第156章 2013年6月号

 近頃よく下草刈りをしているので、野草園のあちらにもこちらにもキンランが咲いているのがわかります。スミレやカタクリが終わると、いつの間にかキンランの黄色い花が目立ち始めます。
 和名金蘭は、黄色の花を黄金色に見立てたのが由来です。黄色い花を数個付け、半開きで中には赤いひだがあり、葉は茎を抱いて凛としています。草丈50a程で、人里近くの林内に生える多年草です。環境省のレッドデーターブック絶滅危惧U類に分類されています。見つけても、むやみに持ち帰らないで下さい。生育には共存する菌類が必要で庭に植えても育たないからです。先日、花好きの小菅のご夫妻にキンランの下の葉を3枚ほど残し、花を切り取って持って行きました。「今まで見たことがないよ。上品で落ち着いたいい花だ」とコップに飾ってくれました。さっそく図鑑を広げ野草談義は尽きませんでした。
 今年も房総のむらへキンランを見に友人と行きました。旧御子神家と旧平野家付近のよく手入れされた雑木林の中や道端に、黄色い花を見つけることができました。次の世代に伝え残したいキンランです。
  初夏に入り金蘭まばゆ広き園

ムシトリナデシコ(ナデシコ科) 第157章 2013年7月号

 毎年5月頃になると、日当たりの良い草原に紅色の小さな5弁花を傘状につけたムシトリナデシコが咲きます。水はけの良い場所を好み、道路沿いのコンクリートの隙間などにも生育しています。
 和名虫取り撫子は、茎の上部の茶色い部分から粘液が出て、そこに虫がくっ付いて動けなくなることが由来です。1a前後の粘着部分は、虫を溶かして吸収するわけではないので、食虫植物ではありません。別名ハエトリソウやハエトリナデシコと言われます。大正生まれの父母は、ベタベタソウとかムシトリバナと呼んでいました。ヨーロッパ原産の帰化植物で、草丈60aほどで花は可愛らしい紅色のため、除草の際にも残しています。あまりに懐かしいので仏壇にそっと生けてみると、水揚げが良いので生き生きしていました。
 年に一度のコバンソウの会で、お食事会をしました。その部屋の大きな花瓶には、ムシトリナデシコが生けてありました。みんなで茎を触っては、「本当だあ。ネバネバするよ」と、童心にかえってはしゃいでいました。紅色の花をバックに記念写真を撮り、思い出の花がまた一つふえました。
  梅雨晴れに虫取り草の咲きはじめ

オイランソウ(ハナシノブ科) 第158章 2013年8月号

 猛暑の中、紅紫色のオイランソウが円錐花序をたくさんつけています。日当たりの良い場所では、白色、桃色と今を盛りに咲き誇っています。
 和名花魁草は、花の香りが花魁の白粉に似て、艶やかに咲く様子を花魁の姿に見立てたのが由来です。花がキョウチクトウに似ているためクサキョウチクトウとか、園芸種も多いため宿根フロックスとも呼ばれています。北アメリカ原産の多年草で、草丈は1メートル程、直径2〜3aの花をピラミット状につけます。風通しが悪いと、うどんこ病にかかりやすいです。花の盛りが終わる頃わき芽の上で切ると、この芽が伸びて2回花を咲かせます。さし芽でも殖やせ、切り花にもなります。多年草なので、地植えの時は枯れ茎を残しておくと次の年の目安になります。
 千葉県の生涯大学校で園芸講座を受講しています。神崎町の会場では、いつも季節の花が生けてあります。「今週の花は、オイランソウだね。フロックスだね」と言いながら、みんな花に顔を近づけています。花を持ってくる人、それを生ける人、ウエルカムフラワ―に感謝しながら、私は園芸を学んでいます。
  おいらん草朝の散歩に目につきし

オオケタデ(タデ科) 第159章 2013年9月号

 焼け付くような暑さの中、東屋の前のオオケタデの紅紫色が風に揺れています。今年は格別な高温にあたるようですが、いつの間にか下の方の葉が枯れ、秋が近づいていることを感じます。
 和名大毛蓼は、大型のタデで茎が太く、全
体に毛が多いことが由来です。葉には、マムシの毒を消す効用があるのでハブテコブラの別名があります。アジア原産の帰化植物で、薬用や観賞用に植えられたものが野生化しています。大型の1年草で、荒れ地や道端、庭の隅などでよく見かけます。茎は直立して、竹のような節があり、上部で分岐し、枝の先に小花が集まり長さ10aほどの花穂をつけます。花はイヌタデと同様に花弁はなく、がくが深く5裂しています。鮮やかな紅紫色で、弓なりに垂れ、遠くからでも人目を引きます。
 「これマンドソウと言うんだよ。祭りの時
に使う万灯みたいでしょ」と教えてくれたのは久米野の友達です。草丈を測ると、私の背丈を超え2メートルもありました。万灯を連想させる大きさです。オオケタデを眺めていると、植物って強い生き物だなあと感心してしまいます。
   新涼や風になびきし大毛蓼

カクトラノオ(シソ科) 第160章 2013年10月号

 庭の三角コーナーの草むらに、今年もカクトラノオがピンク色の花を咲
かせています。
白や濃いピンクもあります。地下茎を伸ばして殖えるの
で、畑や道端でもよく見かけます。

 和名角虎の尾は、花穂を虎のしっぽに見立
て、茎が四角いことが由来で
す。また、花が
美しいので花虎の尾とも呼ばれています。北アメリカ原産
で、草丈1b程の多年草です。
特に害虫や病気の心配もなく、日当たりの
い場所に1度植えると、手間もかかりません。繁殖力が旺盛で半ば野生
化して、茎が枯れて
根と芽の状態で越冬します。蕾は下から上に咲き進ん
で唇形の花を多数つけます。葉は細
長い楕円形で縁にぎざぎざがあり、花
は筒状
で茎を取り巻くように4列に並んで生えています。茎は水揚げが良
いので切り花にも好ま
れ、丈の高い器に生けると素敵です。
 先日、電話で堀之内の友達が「カクトラノ
オは根がしっかりしているの
で、強い風でも
あの子たちは倒れないのよ。白は早く咲くのでお盆に、ピ
ンクはお彼岸に丁度いいのよ」
と話していました。その言葉通り、台風18
の強風でも、あの子たちは凛として倒れません。お彼岸に墓前に手向る
ことができました。
  秋草の角虎の尾を居間に生け

ナガボノアカワレモコウ(バラ科) 第161章 2013年11月号

 玄関前の草むらで、薄紅色のナガボノアカワレモコウが微かに揺れてい
ます。隣のワレ
モコウと仲良くマッチして秋の風情です。 和名長穂の赤
吾亦紅は、ワレモコウより穂
が長く赤色というのが由来です。小葉が細長
く先端がとがり、花の穂も太くて長いのでワ
レモコウと区別できます。花
穂の紅色のもの
をナガボノアカワレモコウ、白色のものをナガボノシロワ
レモコウと言います。花の色が
混生していることもあり、これを区別せず
ガボノワレモコウと呼んだりしています。5a程の花穂は上から下に順
々に咲き、草丈1
b程の多年草です。葉は左右に小葉が並んで1枚の葉を
構成し、縁には粗いぎざぎざがあ
ります。葉だけでも美しいものです。茎
は枝
分かれしてその先に花穂をつけます。花に見えるのは、花弁ではなく
がく片です。

 成田市青色申告会の職員の方が、「田んぼ
の畦道に、変わったワレモコ
ウが咲いてるの。
安達さん家だったらこんなのもいいかな」と持って来て
くれました。あれから3年、他の
草と共存しながらナガボノアカワレモコ
ウは
生育しています。できるだけ自然に近い状態で育て、四季折々の姿を
楽しんでいます。

   広き野に長穂吾亦紅風散らす 

フウセンカヅラ(ムクロジ科) 第162章 2013年12月号

 7月末に、「よかったらどうぞ」と、2a程の苗が園芸教室の玄関前に置いてありました。本葉が1枚で小さくて育つか心配でしたが、蔓がぐんぐん伸び小さな白い花が咲き、実ができてフウセンカヅラと分かりました。
 和名風船葛は、風船状に丸く膨らんだ果実
の形が命名の由来です。北アメリカ南部原産の蔓性が1年草です。夏に花柄の先に五_ほどの白い花をつけ、花後に三aほどの風船状の果実がぶら下がります。草丈は2b以上になり、果実を指で押すとポンと音がして弾けるので小学生の孫は楽しんでいました。そして、孫は私にその種をプレゼントしてくれました。フウセンカヅラの果実の中は3室に分かれ種が3つとれます。浅黄色の果実が茶色にしなびてくると、熟した種にハート形の模様が現れます。女性のアンケート調査では、「もらって嬉しいもの」の上位だそうです。
 最近、神崎の園芸教室では種から育てた小さな何種類もの苗が置いてあります。花を通して人と人との交流が広がっています。秋に採ったフウセンカヅラの種を保存して、来年の春にまき可愛い苗をみんなに分けてあげたいと思います。
   
冬めきて風船かづら風に舞う

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