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JA成田市


JA成田市広報紙「みのり」掲載(毎月1回発行)
花と遊ぶ『遠山野草園の四季』著者・安達廣子(小菅)

コウテイダリア(キク科) 第187章 2016年新年号

 「きれいだなあ。見事に満開に咲いたよ」
コウテイダリアが3bほどに生長し、日当たりの良い庭で咲いています。暖冬が続き、どこへ行っても、空高く咲く圧巻です。
 和名皇帝ダリアは、ダリア界の王様と言わ
れ、樹木に劣らぬ立派な幹をピンと伸ばし、威風堂々とした姿が由来です。花は、ピンク色で、直径20a程の大輪の花を茎の頂きにつけます。別名木立ダリアや帝王ダリアとも言われます。メキシコ原産の半耐寒性多年草で寒さに弱く霜にあたると、一発で枯れます。八重咲きの花もあります。短日植物で、昼の時間が短くならないと蕾がつきません。今年は、昨年までの失敗から、日の当たる場所に移植をしました。風に弱いので、しっかり添え木もしました。花が咲くと切り花にして、寒い所に置き長持ちさせて愛でています。
 花が終わって枯れる前に茎をノコギリで切っておきます。茎を切る時は、根から二節ほど残し(30a位)切ります。次の年に芽が出やすいように、切り株の周りに枯れ葉やわらを敷いて寒さよけをします。今年は、挿し木の作り方を学び苗を増やし、さらに立派な大輪の花を楽しみたいと思います。

  冬空に背伸び競いし皇帝ダリア

シイタケ(キシメジ科) 第188章 2016年2月号

 野草園の竹林に、シイタケのほだ木(シイタケ菌を植えたもの)が並んでいます。美味しそうにふっくらと直径7aほどのシイタケが生えています。自然栽培なので、ほだ木は天候に左右されます。雨が降ると水分を吸ってシイタケは一気に大きくなります。
 和名椎茸は、シイノキなどに生えることが由来のようです。シイタケは原木作り、駒打ち、仮伏せ、本伏せを経て栽培されるのです。50年も前は、自分の山の木のシイ、ナラ、クヌギ、カシ等を切って使用していました。現在は原木を取り寄せ、種駒を春に植え付けると、菌が繁殖し翌秋にはシイタケが出ます。一定の量を収穫し終えると、4〜5年で収穫量が激減し、廃材となります。技術開発や品種改良の変化で、作業がだいぶ楽になりました。収穫は、おもに春と秋です。
 古くから日本料理や中華料理に欠かせないシイタケです。煮物、炒めもの、天ぷら、おつゆ、混ぜご飯と、どんな料理にも合います。そして、高血圧、動脈硬化症等にも有効と言われています。義父が好んだジンギスカン料理にはシイタケは最高です。子から孫へと受け継がれるシイタケ栽培です。 

  
椎茸の榾木にぎわす竹ばやし

ツバキ〜オトメツバキ〜(ツバキ科) 第189章 2016年3月号

 庭先の風通しの良い場所に、大きなオトメツバキがあります。実家にも、昔から咲いていたツバキです。柔らかいピンク色で、一歳半の孫娘のように可愛らしいです。花びらを重ね、芯がないのも乙女らしいです。
 和名椿は、光沢のある厚い葉を表す厚葉木
(つばき)が転じたものと言われ、春の訪れを告げる木とされていました。春の木と書いて椿と読みます。この字は、日本で作られました。オトメツバキは、花弁が幾重にも重なっています。こういう咲き方を、八重咲きでなく、千重咲き(せんえ咲き)と言うそうです。子どもの頃、この蕾を一枚ずつめくりながら口に入れ、達磨さんのように作って遊びました。常緑高木で、葉は互生、厚くて表面に光沢があり、縁には細かい鋸歯があります。江戸時代に多くの園芸品種が作られました。
 伊豆大島のツバキ油は、よく知られています。独特なツヤと匂いを持ったツバキ油は、日本の特産です。花の散り方にも特徴があります。他の花のように花びらが一枚ずつ落ちるのではなく、花首からぽとりと落ちます。昔は、不吉とも言われたことがありますが、日本人に愛されてきた花です。

  庭先の乙女椿が春を呼ぶ

レンギョウ(モクセイ科) 第190章 2016年4月号

 「レンギョウの花は、いつ咲くのかなぁ」と思いながら、アセビの小径を入っていきました。鮮やかな黄色の4弁のレンギョウの花を見つけました。花が開花する頃は、まだ葉は開いていません。
 和名連翹の、「翹」は、鳥の尾羽を意味し、花の様子から小鳥たちの黄色い尾羽を表し、「連」はそれが連なっていることが由来です。中国原産の落葉低木で、ややつる性で枝は伸長し、髄は中空です。花の大きさは2〜3aで、4つに深く裂けてやや斜めに開きます。日当たりの良い場所を好み、一斉に咲き出します。蕾から花を咲かせていく様子が美しく、繁殖力が旺盛です。長く垂れ下がった若い枝先が地面につくと、すぐ新しい根を出します。薬用部分は果実で、吹出物の皮膚疾患や利尿作用等に薬効があります。
 剪定は、花の終わった後すぐに強く刈り込まず、自然の枝ぶりを生かします。枝が古くなると花つきが悪くなるので、枝を更新して樹形と花つきを良くします。高さ2b程の株立ちになり、黄金色の花を枝いっぱい咲かせます。一枝切って玄関に生けると、ぱっと周りが明るくなりました。

  連翹の小径あふれる花明り

ヒュウガミズキ(マンサク科) 第191章 2016年5月号

 門を入ると、日当たりの良い場所にヒュウガミズキが咲いています。2b程の木に、2〜3個の淡黄色の花が短い穂になって垂れ下がっています。根元から複数の幹が生え、株立ちしています。
 和名日向水木は、トサミズキより優しい姿をしていることから「ヒメミズキ」と言われていたのが訛って、ヒュウガミズキと呼ばれたのが由来のようです。水木は、枝などを切ると勢い良く樹液を吹き出すことから名付けられましたが、ミズキ科ではなく、マンサク科です。日本の特産種で、花を楽しむ庭木で、観賞用に植栽される落葉低木です。花が終わると、赤みを帯びた柔らかい葉を横に広げています。花がなくても、愛らしい枝ぶりを花瓶に生け、初夏まで楽しむことができます。
 先日、酒々井町下岩橋の友達の所で、ヒュウガミズキとトサミズキが同じ場所に植えてありました。花も見頃で、違いがはっきり目で確かめることができました。見分け方は、ヒュウガミズキは、トサミズキより花と葉が小さく、木と枝も細いです。一目瞭然で良くわかりました。「どこの家の庭にも、我が家にはない草木があるのだなぁ」と思いました。

ギンラン(ラン科) 第192章 2016年6月号

早朝6時、私はギンランの写真を撮るために、薄暗い雑木林の中に入りました。数本生えている中から、控えめで清楚な姿形の良い花を選びシャッターを切りました。
 和名銀蘭は、白花のため黄色のキンランに対しての名が由来です。30a程の多年草で、葉は単葉で互生しています。茎の先につく5個ほどの白色の花は1aほどで、直立して開かないのが特徴です。ササバギンランは、ギンランよりも丈が高く、葉も大きいです。キンラン、ギンランは、日本の野生蘭のひとつで、昔は、里山の林下で何処にでも見られた花でしたが、今や絶滅を危惧される花です。
 栽培は非常に難しいもののひとつです。千葉県レッドデータブックでは、要保護生物になっています。
 夕方、86歳になる近所のおじいさんに我が家のギンランを見せてあげました。「他の場所も知っているよ」と自慢げに、少し離れた所に連れて行ってくれました。そこには、15本も見事に咲いていました。この花は、菌類と共生し、特殊な土壌のみ生息し、移植しても育てることは不可能です。孫にも見せたい、次世代に残したい貴重なギンランです。

銀蘭や清楚に咲きし白き花
ニワゼキショウ(アヤメ科) 第193章 2016年7月号

今年も、庭の隅に淡紅紫色のニワゼキショウが咲いています。30年も前に、子供達が「こんなに可愛い花が咲いていたよ」と私に見せてくれたのが、この花との出会いです。
 和名庭石菖は、葉の形がセキショウに似ていて、庭に生えていることが由来です。北アメリカ原産で、明治20年頃、日本に渡来しました。初め小石川植物園等で見られましたが、その後、野生化して道端や芝地に生える多年草です。花は1茎1花で、淡紅紫色に濃い紫色の筋があり、中心部は黄色です。1.5a程の6弁花の一日花で、次々咲きます。花の色は、白から紫まで各種あります。実は球形で、黒く光沢があり熟すと下向きになり、種ははじけて飛び散ります。小さいながらも、葉の形はアヤメに似ています。先日、中郷公民館の庭で群生しているニワゼキショウを見ました。
 ニワゼキショウの群生する光景は、なかなか風情があります。芝生のある家では、必ずと言って良いほど出現します。とても小さくて目立たないが、近づいてよく見るとスマートで美しい花であることが分かります。害草として、目の敵にして抜き取る人もいますが、ネジバナと共に芝生に生える名花です。

 草むらに初夏を知らせる庭石菖

ホオズキ(ナス科) 第194章 2016年8月号

 「毎日見ていたけど、やっと赤くなったね」
 ナスに似た白い花が下向きに咲いたので、ナス科だとすぐ分かりました。白い花が咲いた後、がくが大きくなって緑色の袋状になって、果実をすっぽり包みます。熟すと赤くなって目立ちます。
 和名鬼灯は、方言でホオと呼ばれるカメムシの類が茎によくつくのが由来のようです。ホオズキの写真を撮る時、茎にびっしりホオと言う虫がついていました。葉が虫に食われても、殺虫剤などは使わず、共に生きるものとして自然に付き合っています。盆花として供えられるホオズキは、角ばった袋状の赤い果実が美しく、墓前を照らす灯りのように見えます。アジア原産で、長い地下茎で繁殖し、高さ70aほどの多年草です。薬用には、根を乾燥したものを、サンショウコンと呼び、咳止めや熱さまし、利尿に効果があります。
 浅草寺の縁日で「鬼灯市」が
あります。鉢植えのホオズキが売られたのは、あとで薬として利用するためだったそうです。小学生の頃、熟した果実を爪楊枝で付け根の穴から種を取り出し、口にふくんで、ギュッギュッと鳴らしたことが懐かしいです。

 庭先に赤きほおずき風を待つ

バショウ(バナナ科) 第195章 2016年9月号

 「バナナの木だ。すごく大きいね」
「違うよ。バショウだよ。良く見てよ」見学者の8割の人は、見上げるほどの高さと大きな葉をバナナの木と間違えているようです。
 和名芭蕉は、漢名芭蕉の音読みで広くバナナ類も含む名称です。英語名は、ジャパニーズバナナです。中国原産で、古く日本に渡来して観賞用に庭植えされました。高さ5bもあり、大きな葉と夏に変わった花をつけます。若い葉は、巻いて直立しますが、開くと四方に広がります。葉は大きいがどことなく弱々しく、風にあたり破れやすい宿根性の大形多年草です。昔からバショウの葉の繊維で、芭蕉布を織り、衣料や工芸品などに利用されてきました。沖縄及び奄美大島の特産です。薬用部分は、葉と根茎で利尿、解毒、止血等に効があるようです。
 花はクリーム色で、上方に雄花、下方に雌花が垂れ下がってつきます。果実は、バナナ状になりますが、食用には不適です。江戸時代の松尾芭蕉は、深川の自宅の庭にあったバショウから、自分の名前を芭蕉と付けたようです。40年以上前に、義父が植えた大きなバショウの花が風に揺れています。

 夕暮れに花揺さぶりて芭蕉風

ボタンヅル(キンポウゲ科) 第196章 2016年10月号

 門を入ると赤いポストの隣に、白い可愛いボタンヅルの花が咲いています。枯れ竹にからまりながらつるを伸ばして、花後、羽毛状の花柱が残ります。台風に倒れないように支柱をしっかり立ててあります。
 和名牡丹蔓は、つる性で葉が牡丹に似ていることが由来です。花は白色の4弁花に見えますが、花弁はなく、がく片4個が十字形に開き目立ちます。雄しべと雌しべが、花の中央に集合しています。高さ3b位の落葉つる性低木です。ボタンヅルとセンニンソウはキンポウゲ科センニンそう属で花の形はよく似ています。見分けのポイントは、ボタンヅルは、葉に切れ込みがあり、3出複葉(1枚の葉が3枚の小葉に分かれる)で、茎は木質化しています。センニンソウは切れ込みがなく木質化していません。
 平成24年5月22日、並木町の知らないおじさんが、突然ボタンヅルの苗を持参してくれました。どんな花かと想像していましたが、昨年も、草刈り機で切ってしまい残念でした。
 今年、やっと咲き嬉しくて「ヤッター」と叫んでしまいました。花を見ると、その花を頂いた人の優しさが伝わってきます。

 枯れ竹に花火のごとし牡丹蔓

ムクゲ(アオイ科) 第197章 2016年11月号

 家の東側に芝山の親戚からいただいたムクゲがあります。幹は直立して、良く分枝して高さ3bほどになっています。個々の花は短命ですが、新たな花が次々と咲き続け、夏から秋にかけ長期間楽しんでいます。
 和名木槿は、漢名の音読みに由来します。原産地は中国です。落葉低木で、庭園や、生け垣、観賞用として庭などに植えられています。別名ハチスと呼ばれ、白色、淡紫色、淡紅色、八重咲きなどの種類があり、韓国の国花にもなっています。白色で、中心部だけ赤い一重の花は、底紅(そこべに)と呼ばれています。特に、気品と色気をあわせ持った名花です。アオイ科のフヨウ属なので、フヨウと同様、朝に咲いて夕べにしぼむ一日花として知られています。漢方では、白花の蕾を乾燥させ、胃腸薬や下痢止めに、樹皮は水虫やたむしに薬効があります。
 10月に山梨県に行く途中、バスの車窓から、山の斜面に白いムクゲを何度も見つけました。「ほら見て、あっちにも、こっちにもムクゲが咲いているよ」と、友達に教えてあげました。家に帰ってから私は、5弁花の底紅に、時々会いに行っては、写真を撮っています。

 車窓より人目に付きし花木槿

ミカン(ミカン科) 第198章 2016年12月号

 5年程前に、実のついたウンシュウミカンを植えました。去年は、5個なりましたが、今年は40個ほど実をつけています。日当たりが良く、風が吹きつけない所に育っています。
 和名蜜柑は、果実が密のように甘い柑子(こうじ)由来です。日本の柑橘類の代表ですが、品種はいろいろあります。ウンシュウミカンは、中国から渡来し、日本で改良されたミカンです。育てやすく実つきが良く、風味に優れているだけでなく、種子がなく食べやすいのが特徴です。花期は、初夏に白色の小さな花をつけ、花後に青く小さな実は、黄色からオレンジ色へと熟していきます。ビタミンCが豊富で、風邪や高血圧の予防、二日酔いに薬効があります。家族団らんには欠かせない冬の味覚です。昔、義母は食後の皮を天日で乾かしたものを、袋に入れ風呂に入れていました。
 11月下旬の日曜日、小学生の孫と軽トラックに乗り、ミカンもぎに行きました。孫は、ミカンの木を初めて見たようで、珍しそうに手でもぎ取っていました。「まだ酸っぱい匂いだ。もう少したつと甘くなるので、僕、大好きだよ」と言っていました。私は、「みかんの花咲く丘」を口ずさんでいました。

 庭隅のみかん鈴なり孫ともぐ


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平成27年度みのり掲載分
平成26年度みのり掲載分
平成25年度みのり掲載分
平成24年度みのり掲載分
平成23年度みのり掲載分
平成22年度みのり掲載分


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