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JA成田市


JA成田市広報紙「みのり」掲載(毎月1回発行)
花と遊ぶ『遠山野草園の四季』著者・安達廣子(小菅)

アシタバ(セリ科) 第199章 2017年新年号

 庭の隅に、竹のような太い茎のアシタバが上部で枝分かれしています。草丈1b前後です。茎先に淡黄緑色の小さな花が多数集まって、傘形になって咲いています。
 和名明日葉は、今日、葉を摘んでも明日には芽が出るというのが由来です。試してみると、翌日には新芽は出ませんでしたが、それほど発育が速いということでしょう。日本の固有種で、別名ハチジョウゼリとも呼ばれています。茎や葉をちぎると、黄色い汁液が出ますが、これは無毒です。葉は厚く、柔らかでやや光沢があり、冬でも緑色をしている多年草です。若葉は、特有の香りがあり、やや苦みがあります。便秘防止や利尿、高血圧予防、食欲不振、疲労回復等の効果もあり、薬草として注目を集めています。近年、健康食品としても人気が高まっています。
 平成元年、「富里生誕一00周年大島へ」の、記念行事がありました。当時、私は富里に勤務していました。8月27〜29日、子供達と海を越えて、大島への船旅は楽しかったです。名物料理はアシタバで、天ぷら、ご飯の具、お浸し、和え物、汁の実等でした。その時の苗は、今も勢力旺盛で育っています。

  明日葉の光に満ちてあちこちに

カラタチバナ(ヤブコウジ科) 第200章 2017年2月号

 タイサンボクの樹木の下に、高さ30a程のカラタチバナが数本あります。直射日光や寒風が当たらない場所です。
 和名唐橘は、「カラ」は唐。中国や外国からの植物のように風変りが由来のようです。タチバナに花は似ていますが、木や葉の様子が異なり、唐もののようだからです。常緑低木で、笹形の葉は互生し、分枝しません。花は白色で夏に咲き、果実は秋に熟し翌年まで落ちません。古典園芸植物の一つで、江戸時代に品種改良が進み、全盛の頃は非常に高価なものでした。センリョウ(千両)や、マンリョウ(万両)に対比させて、カラタチバナは(百両)の別名があります。共に、お正月用の縁起物として知られています。葉や果実は、マンリョウより大きく、熟した果実は生食できます。果実酒にもなります。
 冬になると、赤い実は、一瞬の間に鳥に食べられてしまいます。今年は、正月が終わるまでビニール袋を被せました。鳥も食糧不足のようで、袋を取り除くと、翌日にはすっかり実は無くなっていました。鳥は、糞で種を蒔き散らし、植物の命の連鎖のお手伝いです。古典園芸植物を次世代に伝えたいものです。
 

  
早春に赤一色の唐橘
セイヨウサクラソウ(サクラソウ科) 第201章 2017年3月号

 「ああ寒い。こんな中でも咲いているよ」安達ヶ原に行く途中、ピンクのセイヨウサクラソウの入ったプランターが置いてあります。暖かい場所では、地植えにもしています。
 和名西洋桜草は、サクラの花に似た花を咲かせる草が命名の由来のようです。花期は、12月から4月頃で、冬枯れの景色に鮮やかな花色で、春まで咲いています。主に、ヨーロッパで品種改良されたセイヨウサクラソウです。しかし、一般にはサクラソウで通っています。冬の寒さには耐えられますが、夏の暑さや湿気には弱いのです。6月頃に、自然と種が落ち、夏には、半日陰で涼しく管理します。秋には、苗をポットに移し替えます。そして、ある程度株が大きくなったら、植木鉢やプランターに植え替えるのです。
 2月中旬、遠山中学校に行った時、日当りの良い校舎の前のプランターにサクラソウが並んでいました。卒業式での出番を待っているようです。毎年、遠山小・中学校の卒業式でのサクラソウは立派に咲き誇り、私は楽しみにしています。暑さや霜から守られ、大事に育てられたサクラソウが、晴れの卒業を祝っています。


  連翹の小径あふれる花明り

ケイオウザクラ(バラ科) 第202章 2017年4月号

 栗畑の隅に、2m以上もあるケイオウザクラが3本並んでいます。3月に入っても薄紅色の蕾はなかなか開きませんでしたが、やっと、彼岸が近づくと咲き出しました。
 和名啓翁桜は、名付け親の啓太郎の一字をとって啓翁桜と命名されました。名前の由来は、昭和5年、福岡県久留米市山本の良永啓太郎さんが、中国系のミザクラを台木にし、ヒガンザクラの枝変わりとして誕生させたのです。花は、5弁花で、花期は、3月中旬〜下旬頃までです。枝の伸びが良く、枝を切り込んでも弱らず、切り花用に適しています。太い幹はなく、形の良い枝が何本もまとまって、一つの株を作っています。山形県のケイオウザクラの促成栽培は有名で、12月中旬〜3月頃まで、真冬満開に咲くので、お歳暮や正月用の贈答に人気があります。
 3月16日に、成田さくらの里のさくら祭りに行きました。山長の『平成の花咲か爺さん』達と、お茶を飲みながらの桜談義でした。我が家のケイオウザクラは、4年前にさくらの里から貰った物です。昨年、生涯大学院の同窓会で、講演後に、山長から一枝ずつ頂き、思い出の桜になりました。


銀蘭や清楚に咲きし白き花

コオニタビラコ(キク科) 第203章 2017年5月号

 門道の両側に、花は黄色で約1a、花茎は約7aのコオニタビラコがびっしりと生えています。地面にへばりついて咲く二年草で、日当りの良い湿った環境です。花は陽を受けて開きます。
 和名小鬼田平子は、葉を田んぼなどの地面に平らに広げ、ロゼット状になっている様子が命名の由来です。別名タビラコとも言います。普通ホトケノザと呼ばれているのは、紅紫色の花を咲かせるシソ科の植物ですが、春の七草の一つのホトケノザは、このコオニタビラコのことです。地面に根生葉を広げたコオニタビラコの姿は、まさに「仏の座」です。若葉は胃腸に良い薬効があり、細かく刻んで、お粥に入れます。オニタビラコは、コオニタビラコに似ていますが、花茎が50a程で大きくたくましいので見分けがつきます。
 4月下旬、芝の友人と図鑑とシャベルを持って、タビラコの観察をしました。根を掘ると、細長い根っこがついていたので、「コオニタビラコに間違いなしだね」と、植物談義は尽きません。誰が植えた訳でもなく、誰が手入れする訳でもないのに、季節は巡り、野の花は、私たちの友情をも育んでくれました。

陽を待ちて田平子咲きし春盛り

ハマカンザシ(イソマツ科) 第204章 2017年6月号

 庭の隅に縁取りに、ハマカンザシを植えています。葉の間から葉茎を伸ばし、小さな薄紅色の花を球状に咲かせて、愛らしいです。
 和名浜簪は、花の姿から連想されるように、海岸に咲くかんざしが由来です。かんざしの形に似た薄紅色の小さな花は、一般にはアルメリアの名で呼ばれています。ヨーロッパの海岸が原産地で、日本には明治の中頃に渡来したようです。草丈は10a程度と低く、開花時は、花茎が長く伸び、20a程になる多年草です。2〜3年に1回、根を引き裂くようにして株分けして増やします。白色のものもあり、日当たりさえ良ければ、花つきは良いです。2歳の孫娘の髪飾りに、小花を摘み取り輪ゴムで結んであげました。喜んでにっこり笑ってポーズをとったので、シャッターチャンスを逃さず写真に撮りました。
 先日、大清水の友人に「アルメリアがないよ。どうした」と尋ねると、「なくなったよ。夏の暑さや湿気に弱く、栽培は難しいよね」と話していました。花づくりを楽しんでいる「駒井野の花咲か爺さん」は、「この花は丈夫で、夏の暑ささえ乗り切れば育てやすいよ」と栽培のポイントを教えてくださいました。

初夏の風孫喜びし浜かんざし

スイセンノウ(ナデシコ科) 第205章 2017年7月号

 庭の隅にスイセンノウが数本咲いています。茎が柔らかい銀白色と、5弁花の明るい紅色とのバランスが素敵です。花は目立ちすぎず、周りの葉ともよくあって邪魔になりません。
 和名酔仙翁は、赤い花をほろ酔いの仙人に、例えたことが由来です。茎全体が白い毛で覆われ、ビロード状でフランネルに似ることからフランネルソウの別名があります。花が咲き始めるまでの銀白の産毛とフェルトのような葉には、フランネルソウの名がピッタリです。70a程の花茎を伸ばし、花のない時期でも茎や葉が美しく鑑賞できます。南ヨーロッパ原産で、人家周辺で栽培されていて、野生化している帰化植物です。暑さ寒さにも大変強い植物で、白花もある多年草です。茎が真っ直ぐに立っているので、切り花に利用して玄関や仏壇、トイレにも飾っています。
 梅雨に入り、フランネルソウにあいに、川栗の友達の家に行きました。門の斜面に紅色のフランネルソウは、すぐ目に付きました。「この花は、2〜3年前、安達さんから頂いたものだよ」と嬉しそうに教えてくれました。私も嬉しくて「家のより立派に咲いているね」と友達と笑いあいました。

梅雨なかば紅色目立つフランネル草

ウツボグサ(シソ科) 第206章 2017年8月号

 野草園の入り口に、薄紫のウツボグサが咲いています。緑の中で紫の花は鮮やかです。日当りの良い場所に生え、高さ20a程、茎は四角く、全体に細かい毛が密生しています。
 和名靫草は、花穂が、武士が矢を入れて背負ったうつぼに似ていることが名の由来です。矢を入れて持ち歩くための道具です。夏に黒く枯れるので、別の名を夏枯草(カゴソウ)とも呼ばれます。生薬名も夏枯草で、漢方では、膀胱炎や利尿剤として用いられています。花穂が褐色になり始めたら、花穂を摘み取り乾燥して煎じて飲みます。花の一つ一つは小さく唇形花なので、シソ科の多年草だと分かります。四方に枝を分枝して、その枝が地を這って広がり、根を出して殖えます。花の寿命はそれほど長くなく枯れてしまいます。プランター植えにすると、観賞用にもなります。
 数年前、風土記の丘でウツボグサを見たことがあります。この花は、山野の日当たりの良い道端や草地に自生しています。今年も、ウツボグサが咲いているかと思い、7月中旬に友人と古墳の周りを探し歩きました。二つ三つ花がついていただけでしたが、それでも嬉しかったです。

うつぼ草紫の花鮮やかに

ウバユリ(ユリ科) 第207章 2017年9月号

 タイサンボクの下草の茂みの中に、ウバユリが咲いています。初夏の頃、あちらこちらに艶のある若葉が育っていましたが、花の咲くのは、数本だけでした。
 和名姥百合は、花が咲く頃には、茎の下の方につく葉は、枯れてなくなります。これを『歯がない』姥に例えたのが命名の由来です。茎は太く中程に5〜6枚葉がつきます。ユリ科の仲間ですが、不思議な咲き方で、花茎の先に集まって咲きます。淡緑色を帯びた白色で、上下から押しつぶしたような筒状花を3〜4個つけ、横向きに咲きます。葉は20a位、高さ1b位で大型の多年草です。千葉県レッドデータブックでは、一般保護生物(D)に含まれています。環境省の分類では、準絶滅危惧種に入っています。ウバユリを絶やさないように、次の世代に渡したいと思っています。
 「あれ、あの花はなんだろう。見たことがないよ」と遊びに来た友人が、草むらの中に咲く変わった花に驚いています。私は、「ウバユリだよ。いい匂いがするよ。こっちに来て香りをかいでみて」と呼びました。友人はすぐ駆け寄って来ました。いつまでもウバユリの香りを確かめるようにかいでいました。

初夏の風孫喜びし浜かんざし

オシロイバナ(オシロイバナ科) 第208章 2017年10月号

 こぼれ種か、去年の茎から芽を出したのか、今年もオシロイバナが咲きました。葉の間に3aほどのラッパ状の花を咲かせ、茎はよく分岐し、高さ約1bで野生化しています。
 和名白粉花は、黒い種子の中に白い粉質の胚乳があり、これを化粧のおしろいに見立てたのが、命名の由来です。南アメリカ原産で、江戸時代の初期に、観賞用として渡来した多年草です。胚乳の粉は、実際に白粉の代用にされたこともあったようです。種は緑色から黒くなり、落下します。子供の頃、秋に実る黒い種をつぶして、白い粉を顔につけて遊んでいました。別名ユウゲショウとも言われ、花は夕方に開き、香りが良いです。花に見えるのは、がくの変化したものです。色は、赤、黄、白色などいろいろで、1本の茎で咲き分けていたり、混色も見られ多用な色彩です。
 大清水の友人宅に、オシロイバナが群生しています。「わぁ、オシロイバナの匂いがするよ」と私が言うと、「何も匂わないよ」と友達は言っていました。いつも花の周りにいると、匂いに気付かないようです。「何時ごろ咲くのかなあ。絞りや染め分けはあるのかなあ」と、2人でじっくりと観察をしました。

あちこちに夕べに開くおしろい花

過去の花と遊ぶ『遠山野草園の四季』はこちらから
平成28年度みのり掲載分
平成27年度みのり掲載分
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平成25年度みのり掲載分
平成24年度みのり掲載分
平成23年度みのり掲載分
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