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JA成田市


JA成田市広報紙「みのり」掲載(毎月1回発行)
花と遊ぶ『遠山野草園の四季』著者・安達廣子(小菅)



アマナツ(ミカン科) 223章 2019年新年号

 甘くてちょっと酸っぱいアマナツが、例年に無く黄色い実をたわわにつけています。20年程前に私がウンシュウミカンを一緒に植えたものです。高さ3㍍位で枝を広げ、遠くからでも大きな黄色い実は目立っています。
 和名甘夏は、夏ミカンより甘夏の方が甘みが強いことが由来です。アマナツはナツミカンの変異品種で親類同士です。別名アマナツミカンとも言われます。収穫も早いのが特徴で、1月頃に出回り始めます。葉は厚く、長さ6㌢程の長卵形で、5月頃には枝先に、いい匂いの白い花を咲かせ、果実と花を一緒に見ることもできます。常緑小高木で、果実は大きく直径㌢位で果肉が厚いです。果汁をたっぷり含み、粒の一つ一つがプチプチした食感で味も良いです。全体にさっぱりした清々しい味が楽しめます。
 家にある柑橘類のミカン、ユズ、アマナツ等は、ビタミンCが豊富で美容と健康に最適です。我が家では皮をむいて生食で、横に切ってスプーンで、輪切りにしてドライフルーツ等にします。一番人気はアマナツの皮で作った砂糖漬けのピールです。柑橘類特有の香りとほろ苦さが楽しめるお菓子です。

 甘夏に元気をもらう年初め

  
マユミ(ニシキギ科) 224章 2019年2月号

 
「なんて鮮やかできれいな実なんだろう」日当たりの良い塚の上にあるマユミの実は、驚くほどはっきりした紅色で、自然のかもし出す何とも言えない雰囲気です。
 和名真弓は、木はよくしなって弾力があり、この材を使って弓を作ったことが由来です。ニシキギ科の落葉低木で紅葉もきれいなので、山錦木(やまにしきぎ)の別名もあります。初夏に咲く緑白色の花はあまり目立たなく、晩秋から冬にかけ、小さな赤い実を付けた紅葉が特徴です。8㍉程の実は、熟すと4つに裂け赤い仮種皮(かしゅひ)に包まれて種子が現れます。赤い実はかなり遅くまで残っていますので、ヒヨドリやメジロが来て実を食べます。種は排出し、その排出によって子孫を広げているのです。新芽は山菜として珍重され、実は有毒なので誤食すると、下痢、嘔吐、腹痛などの症状が現れます。
 1月中旬、可愛いマユミの実はまだ風に揺られていました。何時植えたのかはっきりしませんが、高さ4mほどあります。太い老木なので、縦に筋が入って少し裂けていました。自然樹形があまりにも美しいので、「いつまで実をつけているかなあ」と思いながら、新しい発見はないか観察を続けました。

 
葉が落ちて真弓の実だけぶら下がり

アオキ(ミズキ科) 225章 2019年3月号

 
野草園を歩くと、葉の緑と実の赤のコントラストが目に留まりました。真紅の果実は、薄日に照らされてとてもきれいです。実はヒヨドリなどの野鳥に食べられたのか、落ちてしまったのか、若いアオキが育っています。
 和名青木は、常緑で枝もいつも青々としていることが由来です。高さ2㍍程の常緑低木で、枝は緑色ですが、古くなると木質化して灰褐色になります。果実は2㌢程で艶のある真紅の実は熟し光っています。花は5月頃に咲き、雄株雌株があり、花弁は共に4枚でえび茶色ですが、実がなるのは、雌の木で雄の木にはなりません。葉は厚く長楕円形で縁にまばらに鋸歯があり、表面は光沢があります。薬用部位は葉っぱで、火で炙ったものを患部に貼ったりします。薬効はやけど、切り傷などの保護や抗菌作用があります。
 大清水の友人宅では、家の北側の防風林や、外便所の目隠しの植木として、アオキは役立っていました。葉に模様のある斑入り(ふいり)の園芸品種もあります。斑の入り方の変化が面白いです。変わった斑入りの葉があると、花瓶に挿したり、「牧野富太郎の植物図鑑」に挟んで押し葉にしたりして楽しんでいます。

 
雪降りてなお艶やかな青木の実

ノキシノブ(ウラボシ科) 226章 2019年4月号

 梅の古木に「遠山野草園」の看板がかかっていて、上の方は梅の花が咲き、下の方はノキシノブが付着しています。周りには白いウメノキゴケです。これは、空気の良い場所でないと生きていけない環境指標生物です。
 和名軒忍は、家の軒先などにも生育し、土が無くても耐え忍ぶということが由来です。樹上や岩上、他の草の生えそうもない場所に根を張り、少ない水分でも生きています。乾燥が長引けば葉は丸まって、雨が降れば元に戻る常緑の多年草です。葉は根茎上に並び、長さ10~20㌢程で少し垂れ下がるように着生していますが、花は付けず実も付けません。別名ヤツメランと言われ、葉の裏側の胞子のうが眼のように多数並び、その中の胞子で繁殖します。薬用部分は地上部の全草で、効能はむくみ時の利尿、おできの腫れ物等です。
 2月24日、成田山公園へ自然観察に出かけました。『梅まつり』の最中でした。裏山では、シダ植物のノキシノブをたくさん見つけました。乾燥に強く、降水時にたっぷり水を吸い湿っている期間だけ光合成で、後はじっと耐えています。生きた樹木のみに着生するヨウラクランも見つけられました。

 
梅まつり目に付くシダは軒しのぶ

ヤマザクラ(バラ科)227章 2019年5月号

 
「わぁ、大きいサクラだね。枝を切らなければ吉高のヤマザクラより立派で素敵だ!」
 「作業場の方まで伸びたから、切ったのよ」と、塚の裾野のサクラを見ながら、大山の友達3人と笑いながら話しました。
 和名山桜は、「山に咲く桜」であるためヤマザクラと命名されました。バラ科の落葉高木で、日本の国花となっています。日本のサクラの原種の一つであるヤマザクラは、多くの和歌に詠まれ、古くはサクラと言えば、ヤマザクラのことを指していました。樹皮は紫褐色で横に長い皮目が目立ちます。葉は長楕円形で長さ10㌢位、花は数個ずつ房状につき、赤褐色の新葉が開くと同時に咲きます。花弁は白に近いピンクの5弁で、雌しべは1本、雄しべは多数で、後に紫黒色の果実をつけます。花は桜茶、若葉は桜餅に利用します。
 4月9日小雨の中、平成の花咲か爺さんが、家のサクラを見に来てくれました。「これは大木のヤマザクラだ。樹齢150年位で、自然に生えているので、植えたものはかなわないよ」と言いながら、『小菅の山桜』と命名して下さいました。元号も変わり、令和のヤマザクラとして長く咲き誇って欲しいです。


 塚の上令和元年山桜


過去の花と遊ぶ『遠山野草園の四季』はこちらから
平成30年度みのり掲載分
平成29年度みのり掲載分
平成28年度みのり掲載分
平成27年度みのり掲載分
平成26年度みのり掲載分
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平成23年度みのり掲載分
平成22年度みのり掲載分


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