遠山野草園Toyamayasouen

遠山野草園
2021.10.20

アケビ(アケビ科) 第209章 2017年11月号

「わあ、なんてきれいな色、おいしそう」紫色に色づいたアケビの実が、パックリと口を開けて食べ頃です。サルスベリの木にからみついて登って、茎は木質化しています。
和名通草は、大きく口を開けた実の形から「開け実」が転じてアケビになったのが由来です。里山に普通にみられる落葉つる性植物です。実は10センチ程の楕円形で、縦に割れ、中から白くて甘いゼリー状の果肉が表れます。その中に、無数の黒っぽい種が入っているので、スイカのように種を吐き出しながら食べます。蔓は左巻きで、花期は4~5月で薄紫紅色の花を咲かせます。晩秋には、丈夫なアケビの蔓で籠を編んだことがあります。アケビは太い木質茎を薬用に用い、生薬名を木通(モクツウ)と言い、利尿作用があり、日本薬局方で医薬品として認められています。
10月11日、野草園で野生種のサクラソウの移植作業をしました。成田の里山を育てる会や生涯大学同窓生のメンバーでした。作業後は、薬草のユキノシタ、ドクダミ、アケビ等の天ぷら料理を堪能しました。特に人気があったのが、アケビの実の紫の部分でした。苦味を含んだ野性味を楽しみました。

見上げれば通草パックリ笑ってる

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