遠山野草園Toyamayasouen

遠山野草園
2021.10.20

アセビ(ツツジ科) 第167章 2014年5月号

今から20年以上も前ですが、小学生の女の子からアセビの苗木をプレゼントされました。小さな苗木は、今では3㍍以上にもなり、スズランに似た淡いピンクの控え目な小花が垂れ下がり、木を覆うように咲いています。
和名馬酔木は、馬が誤ってこの葉を食べると酔ったようになることが由来です。馬酔木(アセビ)は、葉や茎に有毒物質を含むので、食べると脚がしびれることから(アセビ)とも言われます。アセビは常緑低木で山地によく自生しています。日本の固有種で、昔から人々に愛されてきた万葉植物のひとつです。生薬名は馬酔木(バスイボク)で、有毒で神経を麻痺させるので、昔は殺虫剤などに用いられていました。花は、白色や薄紅色があり微かに香り、あまり手を加えず仕立てた方が、自然の趣が出て見栄えがします。
3月下旬、伊勢神宮を参拝しました。参道の両側は、白一色のアセビが植えられていて、厳かな雰囲気でした。常緑の葉と白い花の対比が鮮やかで、心に残っています。丁度その時、天皇陛下のお姉様の池田厚子様が、数人のお付きの方々と共にゆっくりと通られました。白いアセビに気づかれたでしょうか。

お伊勢さま花穂垂らせし花馬酔木

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