遠山野草園Toyamayasouen

遠山野草園
2021.10.20

ウツボグサ(シソ科) 第206章 2017年8月号

 野草園の入り口に、薄紫のウツボグサが咲いています。緑の中で紫の花は鮮やかです。日当りの良い場所に生え、高さ20㌢程、茎は四角く、全体に細かい毛が密生しています。
和名靫草は、花穂が、武士が矢を入れて背負ったうつぼに似ていることが名の由来です。矢を入れて持ち歩くための道具です。夏に黒く枯れるので、別の名を夏枯草(カゴソウ)とも呼ばれます。生薬名も夏枯草で、漢方では、膀胱炎や利尿剤として用いられています。花穂が褐色になり始めたら、花穂を摘み取り乾燥して煎じて飲みます。花の一つ一つは小さく唇形花なので、シソ科の多年草だと分かります。四方に枝を分枝して、その枝が地を這って広がり、根を出して殖えます。花の寿命はそれほど長くなく枯れてしまいます。プランター植えにすると、観賞用にもなります。
数年前、風土記の丘でウツボグサを見たことがあります。この花は、山野の日当たりの良い道端や草地に自生しています。今年も、ウツボグサが咲いているかと思い、7月中旬に友人と古墳の周りを探し歩きました。二つ三つ花がついていただけでしたが、それでも嬉しかったです。

うつぼ草紫の花鮮やかに

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