シュンランの小径入り口に、オオハナワラビが目立ちます。これは数年前、吉倉の友達からいただきました。昔、義父は見返り坂に群生しているフユノハナワラビを鉢に移し、来客と野草談義を楽しんでいました。
和名大花蕨は、フユノハナワラビに似ていて草姿が大型で、ハナは胞子葉を花に見立てたのが由来です。数の子状の細かな胞子が密集していて、それが成熟し胞子を飛ばして殖えるのです。光合成を行う栄養葉と、丈の高い胞子を付ける胞子葉が地表近くで2分します。冬緑性の多年草で、シダ植物の仲間です。草丈は40センチ程で茎に毛があり、葉のへりの鋸歯は尖って、葉全体が縦長の5角形のように見えます。冬枯れの野に凜と立つ姿はとても素敵です。
小菅のご夫妻に、オオハナワラビとフユノハナワラビを鉢に入れて差し上げました。おじさんは「この花は、他の花と違い風情があるよ」と言いました。おばさんは「玄関に1鉢置いてあるだけで趣があるよ」と嬉しそうに話していました。ご夫妻そろって喜んでもらってこちらも嬉しくなりました。交流を大切にしたいと思える出来事でした。
冬枯れに大花蕨目立ちけり