35年程前、福島県南会津の駒止湿原へ主人と子供と旅をしました。そして、民宿に泊り高山植物が自生する湿原を何度も訪れました。その時、湿原でオトギリソウを初めて知り、その後、庭に植え楽しみながら育てました。
和名は弟切草で、鷹の傷の特効薬としてこのことを人に漏らした弟を、兄が怒って切り捨てたという伝説が命名の由来です。別名タカノキズグスリとも言われます。茎は高さ50㌢位、上部で枝を分け、葉は対生し茎を抱き葉先は丸いです。花は1.5㌢位の黄色の5弁花で、朝開いて夕方しぼむ一日花です。日本全土と朝鮮半島から中国大陸と広く分布する多年草です。薬効は、切り傷、止血、虫刺され、打撲等です。葉をもんで出た汁を傷に当てる民間療法が現在でも行われています。
大清水の友人宅の軒下に、オトギリソウの花が風に揺れて咲いていました。友人は、花を見ながら「湯治に行った時、オトギリソウを、35度の焼酎に漬けた小ビンを、虫刺されや止血に常備薬として持ち歩いていたおじさんがいたよ」と、オトギリソウの焼酎漬けの話をして下さいました。オトギリソウは、古くからの日本の民間薬です。
夏の野に黄花かがやく弟切草
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