「よく頑張っているね。寒くないのかな」1月中旬になっても、大きく黄色に熟したたった一つ残ったカリンの実は、長さ10㌢程のいびつな楕円形で光沢があり、遠くからでも目立っています。他のカリンはずっと前に落ちているのに、どうしたのでしょうか。
和名花梨は、木目が唐木の花櫚に似ていることが命名の由来です。中国原産で、高さ7メートル程の落葉高木で、渡来は古く、主として庭木や盆栽に利用されていました。幹が太くなると、まだらに皮がはがれて不思議な模様を作り出します。私は、この自然の模様の美しさが気に入って時々手ざわりを楽しんでいます。4月頃、淡紅色のボケに似た花が咲きます。晩秋になると、実は黄色く熟していい香りを放し、果肉は堅く生食でいないので、保存して香りを楽しんだりします。
我が家では、2年前に果実酒を作りました。2~3年は飲めますので、作業場に置いて疲れた時に飲みます。カリンを8片位に切って氷砂糖で漬け込みます。薬効は風邪予防、咳止め、疲労回復等です。今年もカリンを氷砂糖とともに漬け込み、もう一方は、薄く輪切れにして蜂蜜漬けにしてみました。
寒空に黄色が一つ花梨の実