冬の野っ原で目に付いたのが、4㍍程のカレバショウです。大きな葉が季節ごとに見せる表情の変化に注目すると、どの季節も素晴らしい存在感があります。花芭蕉は夏の季語、破芭蕉(ヤレバショウ)は秋の季語、枯芭蕉は冬の季語です。
和名枯芭蕉は、青々と天に向かって広い葉を張っていた芭蕉も、次第に風や日に破れ、やがてすっかり枯れ果てて茶色になってしまうのが命名の由来です。冬枯れという言葉を実感させ、見る影もなく垂れ下がった葉は、季節の移ろいを感じさせてくれます。英名をジャパニーズバナナと言いますが、中国原産で、日本の中国地方以南の暖地では、観賞用植物として普通に栽培される宿根性の大形多年草です。冬、休眠期に入り地上部が枯れたようになりますが、根は生きていますので、2月中旬、カレバショウの写真を撮りました。
「昔、バナナの木と言っていたのが、このバショウだよね。沖縄や奄美大島の芭蕉布は、有名だよね」「明治生まれの義父が植えたバショウは、特に手をかけずとも、放置しておいたら大きくなってくれたんだよ」と言って、大清水の友達と、昔話に花を咲かせました。さすが枯れても王様です。
野草園ひときわ目立つ枯芭蕉
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