今年は、例年になく寒暖の差があったので、ドウダンツツジが真っ赤に紅葉しています。近くの木陰や木道の周りには、キバナアキギリの黄色が所々残っています。赤と黄が鮮やかです。
和名黄花秋桐は、秋に黄色の花が咲き、葉形がキリに似ているのが由来です。別名コトジソウと言い、葉のきょ歯の鋭いものを琴柱に見立てています。茎は四角形で、直立するものや、はじめ地を這い後で立ち上がるものもある、草丈三十センチほどの多年草です。サルビアの仲間で、唇形花を数段咲かせます。花弁は三センチほどで、上唇から出ているのは雌しべで、先が二裂になっています。サルビアは園芸用として売られていますが、里山植物のキバナアキギリは在来種で自生しています。栽培も容易で、茶花としても利用されています。丈夫で何度刈っても生えてきます。
十一月中旬、友人と房総のむらのカタクリ移植地を見に行った時、夏にキバナアキギリが咲いていた山道を散策しました。花はほとんど散っていましたが、しっかりと草姿が残っていました。その姿がシソの実にそっくりで、シソ科の仲間であることを実感しました。
秋過ぎて黄花あきぎり花保つ
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