遠山野草園Toyamayasouen

遠山野草園
2021.10.20

ギンラン(ラン科) 第192章 2016年6月号

早朝6時、私はギンランの写真を撮るために、薄暗い雑木林の中に入りました。数本生えている中から、控えめで清楚な姿形の良い花を選びシャッターを切りました。
和名銀蘭は、白花のため黄色のキンランに対しての名が由来です。30㌢程の多年草で、葉は単葉で互生しています。茎の先につく5個ほどの白色の花は1㌢ほどで、直立して開かないのが特徴です。ササバギンランは、ギンランよりも丈が高く、葉も大きいです。キンラン、ギンランは、日本の野生蘭のひとつで、昔は、里山の林下で何処にでも見られた花でしたが、今や絶滅を危惧される花です。
栽培は非常に難しいもののひとつです。千葉県レッドデータブックでは、要保護生物になっています。
夕方、86歳になる近所のおじいさんに我が家のギンランを見せてあげました。「他の場所も知っているよ」と自慢げに、少し離れた所に連れて行ってくれました。そこには、15本も見事に咲いていました。この花は、菌類と共生し、特殊な土壌のみ生息し、移植しても育てることは不可能です。孫にも見せたい、次世代に残したい貴重なギンランです。

銀蘭や清楚に咲きし白き花

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