門道の両側に、花は黄色で約1㌢、花茎は約7㌢のコオニタビラコがびっしりと生えています。地面にへばりついて咲く二年草で、日当りの良い湿った環境です。花は陽を受けて開きます。
和名小鬼田平子は、葉を田んぼなどの地面に平らに広げ、ロゼット状になっている様子が命名の由来です。別名タビラコとも言います。普通ホトケノザと呼ばれているのは、紅紫色の花を咲かせるシソ科の植物ですが、春の七草の一つのホトケノザは、このコオニタビラコのことです。地面に根生葉を広げたコオニタビラコの姿は、まさに「仏の座」です。若葉は胃腸に良い薬効があり、細かく刻んで、お粥に入れます。オニタビラコは、コオニタビラコに似ていますが、花茎が50㌢程で大きくたくましいので見分けがつきます。
4月下旬、芝の友人と図鑑とシャベルを持って、タビラコの観察をしました。根を掘ると、細長い根っこがついていたので、「コオニタビラコに間違いなしだね」と、植物談義は尽きません。誰が植えた訳でもなく、誰が手入れする訳でもないのに、季節は巡り、野の花は、私たちの友情をも育んでくれました。
陽を待ちて田平子咲きし春盛り