遠山野草園Toyamayasouen

遠山野草園
2021.10.19

シャクチリソバ(タデ科) 第138号 2011年12月号

秋になると、昔から塚の周りに真っ白いソバの花が咲いていました。義父は近所の仲間とソバ打ちを楽しんでいましたが、なぜかこのソバの実は食べませんでした。
和名赤地利蕎麦は、生薬名で赤地利と呼びソバに似ることが由来です。シャクチリソバは牧野富太郎の命名で、ヒマラヤや中国からの帰化植物で、小石川植物園で薬用に栽培されていました。別名ヒマラヤソバやシュッコンソバとも言います。ソバの仲間で、普通のソバは1年草ですが、こちらは多年草です。葉は互生し、丸みを帯びた三角形で先はとがって、長い柄があります。草丈は1メートル程で、茎は中空、枝先に白色の花を固まってつけます。佐倉の「くらしの植物園」に行った時、シャクチリソバという名前が分かり、長年の疑問が解けてとても嬉しかったです。
下福田からの見学者に、「前からシャクチリソバが欲しかったんだ。これ食べられるよ」と教えてもらいました。段ボール箱に入れて差し上げました。後日、そのお礼の手紙と黒米や赤米が送られて来ました。早速黒米を炊き、シャクチリソバの天ぷらをおかずにして食べてみました。気分は古代人です。

塚すそに赤地利蕎麦の白清し

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