シュンランの小道の暗い場所に、2㌢程の淡紅色のシュウカイドウの花が咲いています。花は長い花柄の先に垂れ、花弁が開き真ん中に多数の黄色の粒が球状に集まっています。根を掘ってみると里芋のような塊茎(球根)でした。園芸品種のベコニアの仲間です。
和名秋海棠は、バラ科の海棠(カイドウ)に似た花を秋に咲かせるのが由来です。中国名「秋海棠」の音読みです。ヨウラクソウとも呼ばれます。日本へは江戸時代に中国から渡来した帰化植物です。特徴は、節が紅色をおび、互生する葉が左右不同です。野生化した群落も目につきます。赤い節の部分が青い大きなハート形の葉の上に伸びています。草丈60㌢程の多年草です。秋になると、葉の付け根にムカゴができ、辺りに自然に落下し繁殖します。茎や葉のしぼり汁は、皮膚病に効きます。「秋海棠西瓜の色に咲きにけり」と芭蕉の句にも詠まれています。
堀之内の友達がシュウカイドウを見た時、「この場所は暗いので、もう少しお日様が欲しいよね」と話していました。さっそく、半日陰の場所に植え替え、一枝手折って花瓶に挿すと、長さがあり切り花に最適でした。
ひっそりと秋海棠の小道かな