十三夜に、カタクリ塚のススキを採り月見をしました。月を見て虫の声を聞きながら、「萩の花尾花葛花なでしこの花おみなえしまた藤袴あさがおの花」と、口ずさみました。ススキは、秋の七草の尾花のことです。
和名薄は、すくすく立つ木のような草が由来のようですが、定かではありません。別名オバナやカヤと呼ばれます。獣の尾のように見えることから尾花、刈り取って茅葺き屋根にしたところから茅です。在来種の多年草で草丈2メートルにもなり大きく株立ちします。お嫁に来た頃、お寺の屋根に葺くカヤ刈りの手伝いをしたことがあります。昔は、生活上の必需品で毎年刈り取られていました。月見の時は、ススキは芋や栗と一緒に供え収穫を喜び、翌年の豊作を祈願したものです。ふさふさの穂を利用してふくろうも作りました。穂は、花のように見えますが、花びらはなく雄しべと雌しべだけの花です。イトススキやシマススキ、タカノハススキもあります。
10月初旬、遠山蘭の会の旅行で日光に行きました。バスの車窓からススキを堪能し、長豊大橋を渡る時、夕闇にススキやオギがなびき、もの悲しく秋の深まりを感じました。
夕やみに尾花なびきし利根河原