ツバキの花が落ちる頃、セキショウが葉の間から花茎を出し、ツクシの穂のような黄緑色の小花をつけます。葉をもむと、ショウブのようなとても良い香りがします。
和名石菖は、端午の節句の菖蒲と似ていますが、水辺の岩や石の間などに自生している所から名付けられたそうです。ショウブより小型で、ニワゼキショウより大型の常緑の多年草です。花茎の丈は二十センチ、花序は先が長く伸びてとがり、十センチほどになります。花茎は斜めに伸びてその先に花穂が垂直に付くので、くの字形に見えるのが特徴です。古村では家の敷地の周りや土留めに生えています。斑入りの園芸品種もあり、水辺の植栽や盆栽、花壇の縁取りに利用されています。我が家では、東屋から湿地に入る場所に生育し、株分けで殖やしています。
野良かけずり回って遊んだ子どもの頃を思い出し、セキショウの花穂で目はじき遊びをしました。上瞼と下瞼の上下二センチほどに花穂を挟んで、目を大きくするいたずら遊びです。すぐはじけてしまいますが、それがおもしろくておかしくて懐かしいです。孫たちにもこの遊びを伝授して楽しんでいます。
さりげなく香り運びし石菖
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