郵便受けの脇に、センニンソウの真っ白い花がツツジに絡まりお客様を迎えるように咲いています。道端や林を歩いていると、この白い花が目に付きます。茎を手繰ると下部は木質化していて、冬でも枯れません。
和名仙人草は、花が終わると、花柱がのび羽毛状の白くて長い毛が密生する様を仙人の髭や白髪に見立てたのが由来です。花は2センチ程で上を向いて咲く、つる性の多年草です。白い4枚のがくが十字形について花弁のように見えますが、花弁はありません。種はたいへん面白い形をしていて、風で飛びます。長い柄は曲がり他の物に絡みつき、根は漢方で鎮痛剤などにも用いられます。有毒植物でもあります。
9月初旬、匝瑳市から見学者が来ました。門道の白い花を見て「昨日、犬の散歩の途中、この花が花嫁さんのベールみたいなので採って花瓶に挿したよ」と嬉しそうに話していました。「ああいい匂い」とみんな鼻を近づけセンニンソウの花を愛でました。あれから私は、時々匂いを嗅いで、花が終わった後の姿を見ては、見学者との楽しかった一時を思い出しています。
つる絡み仙人草咲く初秋かな