「きれいだね。黄色い丸い実が割れて中から赤い種が見えるよ。三つ入っているね」三角コーナーのビナンカズラに巻き付いたツルウメモドキの黄赤色は、花の少ない時季にひときわ華やかで、訪れる人の目を引いています。
和名蔓梅擬は、つる性の果実がウメモドキに似ているのが由来です。別名ツルモドキとも言われます。花は初夏に咲き、小さくて色も黄緑色と目立たないので見過ごしてしまいます。山野に多く見られ、つるは長く巻き付いたりして五メートルにも伸びます。大豆くらいの実が晩秋黄色くなり、やがて殻が三つに裂けて中から赤色の種子が出ます。葉は早く落ちるので、残った実がことに目立ち美しいのです。生花やリースに用いられ、人気があり見つけるとすぐに採られてしまうので、めっきり見かける機会が減っています。
成田市生涯大学院一年生の頃、学園祭の練習を無欠席でがんばった五、六人の友だちにツルウメモドキの冠を作ってあげました。男女ともたいへん喜んでくれたことが思い出されます。ツルウメモドキと学園祭は、思い出すと胸がキューンとなります。
広き野につるうめもどき人を呼ぶ
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