30年前、成田国際文化会館で産業まつりがあり、ナツツバキを買いました。庭木として植え、現在は15㍍もある落葉高木になっています。成長すると樹皮はサルスベリに似て褐色となり、薄い表皮が部分的にはがれた後に現われる樹肌は、つるつるしてきれいです。
和名夏椿は、夏にツバキによく似た花を咲かせることが命名の由来です。別名はシャラノキで、インドの娑羅樹(シャラノキ)と間違ったことに基づいています。葉は厚く互生し長さ6㌢程です。花はツバキと似ていてほとんど区別がつきませんが、花弁の縁に細かいギザギザのきょ歯があるのが特徴です。花は白色で直径5㌢程の5弁花で、花の終わりに近づくと緑のがく片が強く中央に寄り集まり、花弁を押し出して落とします。朝に開花し、夕方には落花する一日花です。
大清水の友達の家にもナツツバキがあったので、先日「ナツツバキの花はもうさいている?」と訪ねると、「ほとんど咲き終わって花は下に落ちちゃったよ」と話していました。緑の葉に白いツバキの花は涼しげで風情があります。ひかえめな清楚な花は、うっかりすると忘れられそうです。
夏椿白き花散る初夏の庭
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