「葉の並び方や曲線が美しく、花が地味で可愛らしくぶら下がっているのがいい」
東屋の脇に咲くナルコユリを見ながら、風情が素晴らしいと、大栄の友達は感激していました。
和名鳴子百合は、並んで下垂する花の様子を、田んぼに吊された鳴子に見立てたのが由来です。高知のよさこい祭りで使う踊りの道具を思い出します。ユリのような形の葉が互生し、筒状の緑白色の花は二センチほどで先の方が濃く二~五個くらい付きます。花のあとの果実は球形で黒紫色に熟し、草丈は一メートルほどで日陰の林に楚々と生える多年草です。地下茎は横にのびエビの尻尾のようです。アマドコロと似ているので間違いやすいです。葉の形や咲く時季でも分かりますが、茎を手で触って角張っていればアマドコロ、丸ければナルコユリ、これを「角ドコロに丸コユリ」と覚えました。
六月八日午後七時半頃、東屋から湿地を見下ろすとホタルが乱舞していました。相手を探しているのか、私とナルコユリの方まで飛び交って、光を放っているのです。急いで孫達を呼び、幻想的な世界にひたりました。
草むらに鳴子百合咲く五月晴れ
809926938988b832247a2345fac922cc