我が家では、門道から裏山の至る所にナンテンがあります。鳥が実をついばんで遠くまで運んだのでしょう。お正月に赤い実を玄関に飾るため、鳥に食べられないようにビニール袋をかぶせます。
和名南天は、漢名の「南天燭」を略して、「南天」をそのまま音読みにしたものが由来です。高さ1~2メートル、葉は互生しています。先端の葉の間から、花序を上に伸ばし、初夏に白い花、冬に赤い実をつけます。白色もあり、多くの品種があります。ナンテンは「難を転ずる」の語呂合わせで、昔から災難よけの縁起物です。木は南天箸、葉は防腐作用があるので、おせち料理や赤飯、魚料理などに添えられています。私は、椎茸をお土産に持参する時は、いつもナンテンの葉を上にのせ新鮮さと風情を楽しんでいます。
1月下旬、佐倉の「くらしの植物苑観察会」に参加しました。ナンテンの赤い実が穂のように垂れ下がり、祝いと厄除けの植物であることがよく分かりました。冬になるとヒヨドリなどに好物の実を食べてもらい、遠くに運んでもらって子孫を残すナンテンの戦略です。いつもながら自然界の摂理に感心します。
庭先にたわわにみのる実南天