遠山野草園Toyamayasouen

遠山野草園
2021.10.20

ニワゼキショウ(アヤメ科) 第193章 2016年7月号

今年も、庭の隅に淡紅紫色のニワゼキショウが咲いています。30年も前に、子供達が「こんなに可愛い花が咲いていたよ」と私に見せてくれたのが、この花との出会いです。
和名庭石菖は、葉の形がセキショウに似ていて、庭に生えていることが由来です。北アメリカ原産で、明治20年頃、日本に渡来しました。初め小石川植物園等で見られましたが、その後、野生化して道端や芝地に生える多年草です。花は1茎1花で、淡紅紫色に濃い紫色の筋があり、中心部は黄色です。1.5㌢程の6弁花の一日花で、次々咲きます。花の色は、白から紫まで各種あります。実は球形で、黒く光沢があり熟すと下向きになり、種ははじけて飛び散ります。小さいながらも、葉の形はアヤメに似ています。先日、中郷公民館の庭で群生しているニワゼキショウを見ました。
ニワゼキショウの群生する光景は、なかなか風情があります。芝生のある家では、必ずと言って良いほど出現します。とても小さくて目立たないが、近づいてよく見るとスマートで美しい花であることが分かります。害草として、目の敵にして抜き取る人もいますが、ネジバナと共に芝生に生える名花です。

 草むらに初夏を知らせる庭石菖

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