「毎日見ていたけど、やっと赤くなったね」
ナスに似た白い花が下向きに咲いたので、ナス科だとすぐ分かりました。白い花が咲いた後、がくが大きくなって緑色の袋状になって、果実をすっぽり包みます。熟すと赤くなって目立ちます。
和名鬼灯は、方言でホオと呼ばれるカメムシの類が茎によくつくのが由来のようです。ホオズキの写真を撮る時、茎にびっしりホオと言う虫がついていました。葉が虫に食われても、殺虫剤などは使わず、共に生きるものとして自然に付き合っています。盆花として供えられるホオズキは、角ばった袋状の赤い果実が美しく、墓前を照らす灯りのように見えます。アジア原産で、長い地下茎で繁殖し、高さ70㌢ほどの多年草です。薬用には、根を乾燥したものを、サンショウコンと呼び、咳止めや熱さまし、利尿に効果があります。
浅草寺の縁日で「鬼灯市」があります。鉢植えのホオズキが売られたのは、あとで薬として利用するためだったそうです。小学生の頃、熟した果実を爪楊枝で付け根の穴から種を取り出し、口にふくんで、ギュッギュッと鳴らしたことが懐かしいです。
庭先に赤きほおずき風を待つ