遠山野草園Toyamayasouen

遠山野草園
2021.10.20

マユミ(ニシキギ科) 224章 2019年2月号

 「なんて鮮やかできれいな実なんだろう」日当たりの良い塚の上にあるマユミの実は、驚くほどはっきりした紅色で、自然のかもし出す何とも言えない雰囲気です。
和名真弓は、木はよくしなって弾力があり、この材を使って弓を作ったことが由来です。ニシキギ科の落葉低木で紅葉もきれいなので、山錦木(やまにしきぎ)の別名もあります。初夏に咲く緑白色の花はあまり目立たなく、晩秋から冬にかけ、小さな赤い実を付けた紅葉が特徴です。8㍉程の実は、熟すと4つに裂け赤い仮種皮(かしゅひ)に包まれて種子が現れます。赤い実はかなり遅くまで残っていますので、ヒヨドリやメジロが来て実を食べます。種は排出し、その排出によって子孫を広げているのです。新芽は山菜として珍重され、実は有毒なので誤食すると、下痢、嘔吐、腹痛などの症状が現れます。
1月中旬、可愛いマユミの実はまだ風に揺られていました。何時植えたのかはっきりしませんが、高さ4mほどあります。太い老木なので、縦に筋が入って少し裂けていました。自然樹形があまりにも美しいので、「いつまで実をつけているかなあ」と思いながら、新しい発見はないか観察を続けました。

葉が落ちて真弓の実だけぶら下がり

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