「これは花の後にできる実です。大きくて立派です。植物名は何でしょうか」
答えは、ムサシアブミです。「花と遊ぶ~第六十章~」に、この花が掲載されています。
和名武蔵(むさし)鐙(あぶみ)は、むかし武蔵の国で制作された鐙(あぶみ)と花の形が似ているのが命名の由来です。鐙は足を乗せる馬具です。4月頃芽が出て葉と花が咲きます。7月に花期が終わると、周りを包んでいた仏炎苞が実をつけます。果軸にびっしりと実をつけたトウモロコシのような形状です。花の後の実は緑色で、少し変色してきますが、その後、鮮やかな朱色に熟します。1月に冬枯れの野草園を散策して、朱色の実を発見しカメラに収めました。きれいな色ですが、毒性があるため誤飲すると、中毒症状を起こす恐れがあります。激しい口内炎や胃炎を引き起こします。
去年の春、久住の友達2人が春の野草園を訪れました。お気に入りの植物は、ムサシアブミのようでした。草丈は30㌢ほどです。花は頭から首にかけて白い縦じまのストライプがオシャレで素敵でした。株を掘り起こして嬉しそうに持って帰りました。今頃、武蔵アブミは朱色の実をつけているのでしょうか。
冬枯れに武蔵鐙の実が光り
ムサシアブミ