ヤマザクラの花が散り新緑の中、東屋の横の道を下ると、湿地で紅紫色の花の群生に出会います。
「この葉っぱ、ニンジンに似ているね。花は、ヒメオドリコソウやレンゲソウにも似ているよ」友達は、ムラサキケマンの花を見つけて言っていました。
和名紫華鬘は、紫色のケマンソウのことです。華鬘というのは、仏殿の欄間などの装飾具のことです。別名ヤブケマンとも呼ばれ、林の藪などに普通に生えています。春も盛りになると、林や畑の土手に紅紫色の花を咲かせる草丈三十センチほどの多年草です。葉は深く切れ込み全体に軟らかい感じで、茎を傷つけるといやな臭いがします。実は、熟して触ると種が飛び散ります。その種には、カタクリと同じくアリの好む物質がついていて、運ばれやすくなっています。
先日、南三里塚遊歩道沿いの木陰にムラサキケマンを見つけました。群生している姿は小さなレンゲ畑のようで、つい足を止め、過ぎゆく春を惜しみました。四季の移り変わる速さに、驚いた一時でした。
晩春に紫華鬘群れ咲きし
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