春、安達ヶ原にシロツメクサと混在していたムラサキツメクサは、夏になると勢力を伸ばし、秋口まで咲いています。花はシロツメクサより大きく、色も淡紅色から濃紅色まで様々です。
和名紫詰草は、ヨーロッパから日本に輸入された商品の破損を防ぐためこの草が詰められたのが由来です。花が赤いのでアカツメクサとも言います。輸入された牧草が野生化し、ときには耕地の害草となることもあります。茎は下部から盛んに分岐し、斜めまたは直立し株になります。シロツメクサのように地表を這うことはなく、茎や葉に毛が密生しています。葉は3つに分かれ細長く、葉の中に淡い白色斑があり、花のすぐ下に数枚の葉があります。地下茎や種子で繁殖し、夏の暑さにも負けない草丈30センチほどの帰化植物です。
昨年の7月、妹と「花の浮島」といわれる利尻・礼文島へ旅立ちました。高原では何十種類もの花が咲き乱れ、さらに標高の高い場所で、ムラサキツメクサの群生に出会いました。霧雨の中、花の赤色が生き生きして一段と冴えていたのが印象的でした。とても雑草とは思えないほど美しい眺めでした。
立秋に負けじと集い赤詰草