遠山野草園Toyamayasouen

遠山野草園
2021.10.21

ヤツデ(ウコギ科) 第212章 2018年2月号

東屋の入口に、2㍍以上のヤツデがあり、白い小花が集まり丸い房になって咲いています。白い色の花と、長さ30㌢位の緑の大きな葉とのコントラストが似合っています。
和名八手は、葉が複数に大きく切れ込み、「八」は、縁起の良さからの命名です。熟すと黒い実になり、子供達が空気鉄砲の玉として遊んだりしていました。別名テングノハウチワと言われ、葉の形はまるで天狗の羽うちわのようだからです。日本原産の常緑低木で、古くから冬に咲く庭木の花として親しまれています。冬でも花をつける生命力の強さで、邪気などの侵入を防ぐ力があるとされています。「千客万来」など縁起を担いで、玄関先や門の脇に植えられたり、目隠し用の庭木にも利用されています。薬用部分は葉で、細かく刻み日干しにし、去痰薬の原料になります。
最近、ヤツデの葉を見ると、葉の切れ込みを、数えるような習慣がついてしまいました。実際には、7裂、9裂の奇数が多く、8裂はなかなか見つけられません。その周辺には、鳥が実を食べ種子がまかれ、ヤツデの苗が育っています。苗を鉢に移しかえて、茨城県の小学校時代の友達にあげる準備をしました。

  つやつやと大きなうちわ花八つ手

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